便秘とは
便秘とは、正常な排便が困難な状態を指します。便秘が続くとお腹が張って苦しくなったり、吐き気や食欲低下に繋がることもあるため、早めに適切な治療を受けることが重要です。
何日以上でないと便秘？3日便が出ないと便秘？
便秘の定義について一概には言えないものの、一般的に3日以上排便がない場合に便秘と言います。ただし、排便には個人差があるため、必ずしも3日以上というわけではありません。なお、排便があっても便の形状や方さに問題があり、快適に排便できない場合も便秘ということがあります。
便秘と宿便の違い
便秘、宿便ともに便が腸に残ってしまう状態です。便秘と宿便の違いとしては、便秘が腸の動きが悪く、腸に便が残ってしまう状態に対して、宿便は腸の動きは活発にもかかわらず便を出し切ることが出来ず、腸に便が残ってしまう状態です。便秘は腹部不快感などがあるのに対して、宿便では腹部不快感がないことも異なる点になります。
便秘の症状
便秘になると、便が出ないというほかにも以下のような症状を訴える方がいます。当てはまる症状がありましたら当院までご相談ください。
- 便が固い
- 便が少ししか出ない
- 便が硬くて排便が困難
- 排便に時間がかかる
- 便が乾燥している
- 便と一緒にガス（おなら）が出る
- 腹部が張る
- 腹痛や腹部に不快感がある
- 残便感がある
など
便秘の原因
便秘の原因としては、食物繊維の不足や水分不足、運動不足、ストレスや精神的な要因による腸の運動異常、薬物やサプリメントの副作用、消化器疾患や構造的な問題による腸の機能障害、ホルモンバランスの変化が考えられます。
便秘の検査
便秘が続く場合、大腸カメラ検査をはじめとする検査を行い、原因を確かめることが重要です。当院では、鎮静剤を使用した大腸カメラ検査を行っています。また、大腸カメラ検査のほかにも、血液検査やエコー検査など、必要に応じて検査を行います。
疾患による便秘でない場合、食事や運動、ストレス、市販薬の使用有無を確認し、患者様のライフスタイルに応じた治療をご提案していきます。
便秘の治療
便秘の治療として以下のようなものがあります。
薬物療法（便秘薬）
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 緩下剤（下剤） | 腸の運動を刺激して便通を促進します。即効性があり、短期間の使用で効果を得ることができます。 | 長期間の使用や過剰摂取により腸の依存性が生じる可能性があります。また、下痢や腹痛などの副作用が起こることもあります。 |
| 軟便剤（便軟化剤） | 便を柔らかくし、排便を容易にします。妊婦や出産後の人、手術後などでの安全性が高いです。 | 効果が現れるまでに時間がかかることがあります。長期間の使用による依存性は少ないですが、腹痛や下痢が生じることもあります。 |
| 腸管刺激剤 | 腸の運動を刺激し、腸内の便を促進します。便通の改善に効果的です。 | 下痢や腹痛が生じることがあります。長期使用には適さない場合もあります。 |
| オスモチック整腸薬 | 腸内の水分を増加させ、便を柔らかくします。便通を改善します。 | 長期使用による依存性や電解質異常のリスクがあります。適切な水分補給が必要です。 |
| プロバイオティクス | 腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善します。便通の調整に役立ちます。 | 効果に人差があり、即効性は期待できません。ただし、副作用は稀です。 |
食事療法
便秘の治療において食事療法は重要な要素です。以下、便秘の治療における食事療法のポイントです。
食物繊維の摂取を増やす
野菜、果物、穀物、豆類などの食物繊維を多く含む食品を積極的に摂取しましょう。食物繊維は便のかさを増やし、腸の運動を促進します。
水分摂取を増やす
水分不足は便の硬化を引き起こすことがあります。水分を適切に摂取し、脱水症状を防ぐために水や無糖の飲み物を積極的に飲みましょう。
良質な油を摂取する
健康な脂質を摂ることで便の滑りを良くし、腸の運動をスムーズにします。オリーブオイルや亜麻仁油などの良質な油を使用することを心がけましょう。
規則正しい食事と食事の時間を設ける
毎日同じ時間に食事を摂ることで腸の動きを整えます。食事の時間や量を一定にすることで腸の運動も安定します。
適度な運動を行う
適度な運動は腸の運動を促進し、便秘の改善に役立ちます。ウォーキングや軽いストレッチなど、日常的に運動を取り入れましょう。